地下潜

ネガティブファイター

 

ランクプレートにも、日記帳にもツイッターにも、あらゆる媒体で感想を書き出してるのにそれでもまだ心のざわざわが落ち着かないです。

 

23.3.31~4.1

聖子ちゃんの歌みたいに綺麗な情景に言葉、登場人物たちの名前も全部おとぎ話を見ているみたい。
途中からミステリー要素が入るからそこが微妙だなーと思ってて、けど1章の毬子目線が好きだからまた読み直し。
好きな本を誰かと語りたいけど、好きを語るほど恥ずかしいことってないと思う。好きなアイドルとか顔が好きくらいなら簡単に話せるかもだけど(それも苦手だけど)
うっとり読み進めてる。昨日読んでた崩れるのは大違い(どっちも面白いけどね)

父親のよそよそしい感じにお嬢様の香澄さんが砂糖菓子の藻屑に重なる。どこか外国チックでボートや草原、塔のある家や芳野さんのウェーブのかかった髪がマーニーを思わせる。雨の音も、暗い天気模様も、やっぱりどことなくマーニーと砂糖菓子に似ている。そして全部夏の物語だ。
私の嫌いな夏

きっと私は、私の知らない異国の少女の物語に身を浸したかったのだな。私の経験できない素敵な少女の、けれど苦くて苦しいそんな思い出を、私も共有したつもりになりたかったのだな。

深呼吸をしないと読み進められない、そんな本。こんなにも美しく繊細なのに緊迫感が詰め込まれている

あとがきを読んだ。
「生き延びた少女たち」という言葉にやはり砂糖菓子を感じた。
恩田陸さんは私と同じく少女に憧れていた。
マウスを読んだ時、瀬里奈と藻屑、渚と律を会わせたいと思った。初めて作品を越えて会わせてみたいと思った。
あの時に似た感覚、蛇行する川のほとりの少女たちをやっぱりマウスや砂糖菓子の少女たちに会わせてみたくなった。
藻屑を忘れないと決意した渚、香澄の生きてる気配を感じる芳野たち、みんなの中に死んだ者たちも生きているのだと思う。

こんなにも気分が重くなって、(まるで私も毬子になって秘密を聞いてしまったみたい)余韻が必要なのは初めてだった こんなにも放心状態が続くのは初めてだった。中々次の作品に手が伸びない。